東の庭と西の庭が室内と連続する住宅
郊外の広い敷地で、南に小川が流れる絶好の条件であるが、小川の反対側にはかなりの交通量が見込まれる道路が、敷地より約1.5m高い位置に計画されている。また、北側は駐車場である。
日常の生活ゾーンをコンパクトに納めたいという依頼主の要望もあり、東西に庭を配し、中央に建物を置く配置計画とした。
現代的な中にも「和」の空気を感じる、落ち着いた住まいという要望に対して、コンクリートの自立壁と、その間に立つ木の仕切り壁を交互に配した。コンクリート自立壁は、東西の長さを強調し、木の壁がその空間に落ち着きを与えている。
広い敷地に、平屋建てということで、室内と外部の連続性が重要なテーマと考えた。東西約40m弱の空間に連続性をもたせるため、自立壁の上に屋根を浮かせてテラスの深い庇を介して内外の連続性を図った。
東の庭は、道路からの視線に配慮して、高い塀に囲まれ、落葉高木4本の庭とした。
西の庭は、計画道路からの視線と西日に配慮して、常緑樹を多用した芝生の庭とした。
敷地は寒冷地にあり、ペアガラスの使用や屋根に日向石を敷き、断熱に心がけると共に、各スペースが細かく仕切れるように配慮しているが、常に広い敷地全体が感じられて、のびのびと生活できる空間になったのではないかと思っている。
住宅特集2003年5月号掲載より
2002.08.
広島県
RC造一部S造 地上1階建て 255㎡