プロジェクトT

屋上テラス

新しいタイプのオフィスと集合住宅を提案

基本方針

場所に向けて

商業地域で活気のある場所なので、近景(低層部)では歩行者に向けて、明るく楽しい環境を提供し、遠景(上層部)は周辺ビルから距離をおいた、自立した外観の建物とする。

機能に向けて

オフィス機能に向けては、大小の事務所の需要に対応して、オフィス空間を分割・連続可能にする。執務空間は両面採光・通風の可能とし、通路に開放可能なオフィスとする。
共用部は明るく開放的な共有空間とし、自然を感じることのできる空間の中に共用利用のできるスペースを設ける。

建築に向けて

建物の中心に光庭のある空間構成とし、屋上は共同利用が可能。水と緑を適所に配した環境をつくり、自然材(石と木)と人工材(アルミとガラス)による空間とする。
既存杭を避けるためと天空率に対応させるため、柱位置を道路面より2.0m セットバックさせる構造計画とし、柱スパンを小さくし、階高を抑える。
日常的にも利用しやすい2つの階段を設けることで避難しやすくする。光庭廻りの階段は吹抜けの空間づくりに活用する。
店舗入口とオフィス入口を独立させることで、動線を明確にする。小規模事務所が多数になることから、EVを2台とし、待ち時間を少なくする。

平面構成

1,2階

shopを設け、街とのつながりを強める。壁面緑化を設けたオフィスエントランスを抜けると、光庭から落ちた雨が水盤に反射するロビーに出る。水盤には光を当て、波紋が壁を彩る。

3~10階

基準階は光庭を囲む開放廊下とし、共用部を開放的な空間にする。各階に異なる樹種の植栽を行い階ごとの楽しさを演出し、吹抜けを介して他階の樹も楽しめる。
オフィスと廊下の壁は透明ガラスとし、オープンな利用を可能にしつつ、ブラインドを設けることで開放性の選択を可能にしておく。オフィス1,2と3,4の間仕切りは着脱可能とし、入居希望者の幅を広げる。どのオフィススペースも両面採光・両面通風の開口を設け、明るいオフィス空間とする。

11階

テナント入居者の憩いの場として建物を特徴づけるスペースとする。様々なシチュエーションでの活用を想定し、屋内、半屋外のスペースを設ける。
屋内スペースは時間制の有料スペースとし、会議、打合せ、会食の場等として利用可能。多目的トイレ、自動販売機、喫煙所を設け、屋上利用の頻度が高まるようにする。
半屋外のテラスは水場付きの大テーブルとし、入居者どうしのコミュニケーションの場とする。植樹テラスはサクラのスペースとモミジのスペースとし、春・秋の季節を演出し、利用の楽しさを増大させる。

断面・立面構成

断面図

断面計画

光庭を設け、共用部とオフィス3,4の開放性を高める。
光庭は深い空間となるので、季節・時間によっては期待通りの明るさが確保できないことを勘案し、各階の樹木と階段に十分な人工照明を計画し、光庭の効果を担保する。
最上階にはガラス屋根を設け、開放廊下への雨の吹込みを抑えるとともに、下階への採光をできる限り確保する。

立面図

立面計画

店舗、オフィスともに、エントランス部分の壁と天井を木製の材料で仕上げ、街中にありながら、低層階は親しみやすい建物とする。
上層階はアルミ外壁とガラスの開口をフラットに仕上げ、都会的・近代的なファサードとする。
東西とも正面の壁はテーパーを取り、周辺建物から独立した形を強調する。

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