場所・機能・構成/光・空間

ここに掲載した文章はInter ArchExhibition’95 -seven architects hiroshima-
に向けて執筆した文章です。


場所・機能・構成

建築という行為の中で、きわめて特徴的な概念としていくつかの要素を抽出することができる。
場所、機能、構成の概念は中でも重要な要素である。建築はその場所においてのみ成立する空間表現であり、場所性をどのように把えるかはその建築を決定づける。建築は用途、機能を有する数少ない空間表現である。何のための建築であるのか、真の機能について考察することは、新しい建築を発見することに他ならない。建築は素材、構造等を操作して構築されるが、その拠り所となるのは、空間の構成の在り方である。「いかに」と建築を考えることは、即ち、空間の構成を考えることである。
建築という行為は、「どこに」「なにを」「いかに」と考える行為に他ならない。逆を辿れば建築は、場所と機能と空間のために捧げられるものではないだろうか。

光・空間

建築は極めて具体的なものである。場所に縛られ、機能を有し、柱や壁の素材によって構成される。このような具体的なものによって、光、空間、風などの抽象的な世界を現出させる行為も又、建築の行為である。光・空間は現前の建築から、抽象的な体験へ、更に非現前の世界へと、人を導いていく媒体となる。

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