一華寺 無尽塔

南面外観

土に還るための共同墓

「無尽塔」は「共同のお墓」です。「お骨は土に還してあげたい」という思いで、共同のお墓が建てられることになりました。

土に還ったお骨は養分となり、お墓の前に植えられた樹木に花や実をつけます。
花はお墓に供えられ、実は鳥がついばんで、新たな命を運びます。
「無尽塔」と名付けられた所以です。

このようなお墓はこの地にゆかりのある材料でつくりたい。
沢山の人の協力の積み重ねでできるものでありたい。雨、風、水や自然の光が届くお墓でありたい。
そのような思いで、このお墓は計画されています。

お墓の構成は、構造材と仕上材によってつくられるのではなく、小さな単位の集合がそのまま構造、仕上げとなる組積造としています。

無尽塔は2500個の組積材でつくられています。

2500の組積材には、2500の祈りが記されています。
組積材の骨材は、陶石と呉市ゆかりのカキ殻でできています。
凝固材はマグエンというにがりの成分です。
何十回もの強度試験を経て配合を決め、これを成形、自然乾燥してつくられた、一つ一つ手作りの組積材です。

直径約4.0m、高さ約5.0mの塔ですが、頂部には直径30cmの穴が明けられ、空の光を導くとともに、中央の仏塔を通じて、雨が地下に浸透し、お骨が土に還るのを助けます。

塔の前には、組積材に使用したものと同じ陶石が敷かれ、これから樹木が植えられていきます。

安らかに眠るご先祖に感謝しつつ、今生きている喜びを実感することのできる、明るく清潔感のある墓所スペースが、徐々に出来上がってきます。

2017.07
広島県呉市
組積造 地上1階建て 12㎡

改修後

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