宮原の家

外観

「場所」に住む

敷地は傾斜部の古い住宅地にあり、複雑に道路の交差する変形の敷地である。

周囲の地勢を大きくとらえると、半島の先端のような位置に存在する。

施主は結婚したばかりの若い夫婦。

施主の希望は、家族がお互いに気配を感じながら生活できる家とすること、遠い将来を考えて、ワンフロアーで生活が完結できるようにすること、風通しの良い家とすることであった。

施主や敷地の条件を把握して空間化するのが建築家の仕事である。施主や敷地の条件を読み込み、そのことをスタートに空間化した。異形の敷地境界をなぞるようにコンクリートの腰壁を立ち上げ、開口部を四周に残して、寄せ棟の大空間を確保する。内部には2つのコアを設け、ワンルームを3つの空間にゆるく仕切っている。

結果として普通であるけど、ここにしかありえない空間、この家族しかありえない生活の場ができたのではないかと思っている。

2008.04.
広島県呉市
木造 地上2階建て 102㎡

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