緑井の家

リビングよりダイニングを見る

内と外に開く住まい

夫婦と子供2人のための住宅。

敷地は、山の中腹にあり、変形敷地で3方を里道に囲まれた静かな住宅地。

建築主からは、隣地や里道、また家族間のプライバシーに配慮しながら、共有の場は広く、明るい住空間にしたいと要望があった。

変形敷地の境界線に合わせた形状、配置ではなく、外形の四角いシンプルなボリュームを置くことで、敷地内に適度な余白をつくり、隣地、里道からほど良い距離感を与え、プライバシーを確保する。また、その余白は光と緑を住空間に引き込む。

大きな木の屋根の下に室のボリュームを点在させ、そのボリューム間の余白を共用部としている。主に個室や水廻り等のプライバシーを確保する室をボリューム化し、共用部に面して欄間を設け、屋根が繋がることで互いの空間を感じながらも視線は遮るように計画した。中央の水廻りをBOX状とし、天井を下げることで共用部のどこからでも各室の存在を感じることができる。

また、ボリューム同士の間に開口を設けることで、共用部は風の通り道となり、各室に新鮮な空気を供給し快適な住空間となる。

段差を設け床レベルを下げたリビングは、庭と視線が近くなり、緑や季節の移ろいをより感じることができる。段差をベンチとして利用することで、リビングを囲む団らんの場となる。

大きな屋根のもと、日々の生活の中で風や光、家族の気配を感じることのできる豊かな住まいが実現した。

2020.11
広島県広島市
木造 地上1階建て 111㎡

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