益田の歯科医院

前面道路側外観全景

患者さんが庭を眺められる歯科医院

以前は道路側に医院、奥に住宅が建っていたが、駐車スペースの不足と、医院の手狭を解消する為に建て替えとなった。
営業しながらの建て替えで、建築の配置はおのずと決定された。

依頼主からの要望は、医師動線を短くするために、診察台を半円を描くようにレイアウトすることと、患者さんが庭を眺められるようにすること、住宅では、当面御両親のみの住まいであるが将来的に同居可能とすること等であった。

面積配分から1階と2階の一部を医院に、2階の一部を住宅にすることとした。
各階に要求される条件はそれぞれ全く異なる訳だが、各フロアごとに問題を解決するのではなく、3層全体を解決する空間の構成を探ることがテーマとなった。両袖の壁でY軸方向、3つのコアの壁でX軸方向の耐震性を確保し、垂直荷重は連続するサッシの方立で支持する3層の空間構成とすることとした。このことにより、医院にも住宅にも多くのメリットが得られたと思う。
診察室は柱や壁のない全面開口で庭に面することができ、2階は自由な仕切によって将来の変化に対応できるようになる。3階も南面に全面開口の明るい居室が確保された。
医院も住宅も3つのコアの部分に、水廻り等を納めることでコアを回遊できる自由な動線と、どの場所も水廻りに近い便利さを確保することができた。

単純な構成であるが3層のフロアは3本の階段によって一体化され、患者さん、職員の方、御両親とも、のびのびと過ごせる空間ができたのではないかと思っている。

2003.08.
島根県益田市
RC造 地上3階建て 499㎡

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