神應院 西条分院

南面外観

静かな佇まいのお寺

曹洞宗のお寺の別院の本堂と庫裏である。

主に木造の住宅を手掛けている工務店、大工さんとの共同作業である。
構造は在来工法の木造軸組、足場のいらない勾配屋根、市販の粘土瓦を使った屋根、外構は既存の樹木や石を使って、広い面積の境内を形作るなど、お寺としてはかなりローコストな建築としている。
結果として、装飾を排した、簡単で静かな佇まいのお寺となっている。

道路より角度を振ってアプローチを設け、道から直接正面が見えない配置としている。
建物周辺に立っていた竹や松は適宜選択して残し、整地により掘り出された石を景石として使って境内をつくっている。
防草のために敷き込んだバラスは2種類のものを使って領域を形づくっている。

本堂の間取りはお寺の伝統的な形式を踏襲した畳敷きのお堂である。
四周に回廊を廻し、東には車いす用のスロープ、北にはトイレや湯沸室を設け、回廊は北の庫裏へとつながっている。

基壇は高く宙に浮いた形として回廊と屋根の水平線を強調し、周囲に連続する外観としている。

湿気・害虫に対し、床はコンクリートの片持ちスラブで1メートル高床とし、その上に在来工法の木造の本堂を載せている。
軒と内部の三方は垂木の勾配天井を現した表現とし、寄棟の中央部は高天井とし、大きな気積を持つ空間としている。
内陣に設けた排煙窓からは、空からの間接光を取り入れている。

通常のお寺に比べるとかなり緩勾配の寄棟の形状とし、洋風住宅用の施釉平瓦を使用している。
回廊部の天井の垂木は隅部を扇垂木とし、屋根とともにシャープな軒先の表現としている。

本堂

庫裡

2017.09
広島県東広島市
木造 地上1階建て 330㎡

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