ここに掲載した文章は中国新聞ハウジングニュース21住クリエーターVol.5 (2001年4月21日付)に掲載された文章です。
個性的な住宅を多く設計されていますね
家は一生に一度の買い物だけに、お客さんの思いに耳を傾け、その延長として、どんな住空間をつくっていけるかを大切に考えます。例えば将来の家族の成長に合わせて部屋数を増減できる家や、ローコスト材料を使いながらも吹き抜けや暖炉、バーベキューテラスなど設備を充実させた家にするなど、最大限に工夫しています。
設計には、特にどんな点に留意されますか
設計にも時代によって流行がありますが、それを追うのではなく、自分の思いを素直にとらえ、それを大胆に表現すること。具体的には建てる場所や住まいとして必要な機能、空間構成を考えながら、できるだけシンプルな構造で、建てやすく、素朴な住空間に仕上げたいと考えています。流行を追うと、次の時代になると必ず裏切られるもの。時代や世の中が変わっても、古びない新鮮な家を創りたいと考えています。
ここ最近の仕事の事例を紹介してください
大野町に99年に建てた住宅では、細長い敷地を強調。「力強い生活」の象徴として「納屋」をイメージした住まいをつくりました。また昨年には佐伯町にあるご家族のセカンドハウスを設計。自然とのふれあいや家族の集いをテーマに、ひとつの大きなボックスの中に、いろいろなボックスがつきささっている感じの住空間を生みだしました。いずれの住まいも、お客さんにはとてもよろこんでいただいています。
展示会などのイベント活動も積極的ですね
住宅や建築についての情報が氾濫し、最近のお客さんは知識が豊富で詳しい。こうした中で、建築家としての存在感をアピールし、コミュニケーションをはかっていくことも大切だと考え、8人前後の仲間と年に1~2回程度、展示会を開催するようにしています。社会との接点も強くしていきたいんです。